ター滝と東江海岸の現地調査
6/24 2023
2023年6月24日に研究室のメンバーで、平南川のター滝と東江海岸の現地調査に行ってきました。
ター滝現地調査ルートを次に示します。
ター滝に行く道中に、ラバー堰があったので見学をしました[Photo 1]。ラバー堰の中の空気を排出することで堰を倒状態にすることができます。普段は堰を上げて取水しやすくしていますが、洪水時などでは、堰を倒伏させて上流側の水位を低下させます。
堰の横には魚道が設置されており、魚が堰の上下流を行き来できるような配慮がなされていました。
平南川ター滝駐車場に車を止めて川沿いに歩いていきます。
少し歩くと、川が湾曲する箇所がありました。内岸には砂礫が堆積し、外岸の川底は深くなっています。湾曲部では流れに遠心力がはたらきます。流速は水面付近で一番大きくなるため、遠心力は水面付近が最も大きくなり、水面付近の流れは遠心力で外岸側に向かいます。この流れの力を受けて川底では逆に内岸側に向かう流れが生じます。そのため、川底の砂礫は外岸側から内岸側に移動し、外岸側が深くなり内岸側に砂州が形成されます。
さらに歩くとター滝入口があり、そここからは川の中を歩きます。
川の中には河床に埋もれた大きな石がありました。固定された大きな石を隔て、下流側では粒径の小さな砂礫が堆積し、上流側では大きな砂礫が堆積していることが確認されました。大きな石の上流側では、流れが速く小さな砂礫は堆積することが難しいですが、大きな石の下流側では流れが遅くなるため、小さな砂礫が堆積しているのだと考えられます。
河床には、大きな石が集団化し自然の堰のようになっていました。
流れが緩やかで水深が大きい箇所では、細かい粒子でも流されづらいため、河床は細かい粒子で構成されています。
滝に近い上流部では、Photo 10 のような巨石が多数存在していました。
ター滝に到着しました。
約15mの高さから水が激しく落下し、周りに水しぶきが飛び散っていました。滝つぼでは多くの人たちが泳ぎを楽しんでいました。
東江海岸は、波浪対策及び海岸保全を目的として、海岸から3つの突堤が沖に向かって延び、突堤の先に人工リーフが設置されています。これらの設置状況を確認するため、東江海岸の現地調査を行いました。下図は今回の東江海岸の現地調査のルートです。
突堤付近は特に砂が堆積していました。砂浜のすぐ近くにほぼ直立した護岸がありました。
Root Mapの左部に位置する突堤周辺は護岸や突堤が大きな岩で覆われていました。
海岸侵食食を防ぐために袋詰め玉石工が設置されていました。いくつかの袋詰め玉石は、袋詰め玉石と同程度のサイズの大きさの岩に紐で結んで括り付けられていました。
人工リーフは、浜辺から離れた位置の水面下に設置し,水深を小さくすることで砕波を誘発して、海岸侵食を抑えるための構造物です。現地調査時は,大きな波は見られず人工リーフ上での砕波は確認出来ませんでした。
東江海岸の波浪対策や海岸保全を目的とした設備を見学することが出来ました。人工リーフ、突堤、護岸など複数の施設効果を複合して海岸保全に活かしていることがわかりました。