安謝川の現地調査に行ってきました。
7/7 2022
安謝川は那覇市首里石嶺町を起源とし、住宅地を南西に流下し末吉公園内を流れた後、支川沢岻川、銘苅川と合流し東シナ海に到達します 。安謝川は水位計のある新開橋付近で頻繁に氾濫危険水位を超えており、川の様子を確認するため、安謝川の上流端から末吉公園までの現地調査を行いました。下図は今回の現地調査のルートです。
安謝川の上流区間は下水道の暗渠となっており、開渠となる上流端の起点は石嶺の住宅地の中にありました(写真 1)。周りには植物が生えていましたが(写真 2)、下流側を見ると植生が無くコンクリートで整備されていました(写真 3)。川幅は狭く流量が少ないことがわかります。
川は住宅街の中を流下していました。写真 4 は川の上流端からの距離約 600 m の地点です。壁面には水位標が描かれており、水位警報装置が設置されていました(写真 5)。
写真6から、川幅は依然として狭く橋の位置が比較的低いことや、流量が少ないことがうかがえます。
さらに、距離約 180 m (上流端からの距離は約 850 m)進んだ場所でも、川幅はほとんど変化していないようでした(写真 7)。目視でおおよその水深と流速を確認したところ、水深は 3 cm 程度で、流速は 0.5 m/s 程度でした。
写真 8 は上流端からの距離約 1.1 km の地点の様子です。ここは水位センサ設置地点であり、写真 9 のような小型水位センサが取り付けられていました。沖縄県河川状況システムでは、この地点の水位を 10 分間隔で確認することができます 。
写真 10 を見ると、川幅が大きくなり(約 3 m)、橋の位置が高くなっていることがわかります。 水位センサ設置地点からさらに 150 m ほど下流側に進んだ地点(上流端からの距離約 1.3 km)には、写真 11 のようなカメラが設置されていました。沖縄県河川状況システムでは、上流側(新開橋)を見た最新のライブ画像を確認することができます。
上流端からの距離が約 1.7 km になると、河川は住宅街から県道241号の大通りへと流れていました。写真 12 は県道241号上の昭和橋から上流側を見た様子であり、カーブの部分で河川の改修工事が行われていました。一方で下流側の様子は写真 13 です。河川は直線的になっており、改修工事は行われていませんでした。
河川は末吉公園内へと続きます。安謝川の勾配は,末吉公園で急に急勾配となり,末吉公園上下流で 60 m ほどの大きな落差となります。ここでは写真 14 のように、整備がほとんどされておらず巨大な石が多数ある状態で、山間部の河川のようになっていました。公園内の河川は、多くの生物の生息地にもなっています。
河川は公園外へと出ると、再び住宅地の中を流れていきます。写真 16、写真 17 は住宅地の中にある末吉橋からそれぞれ上流側と下流側を見た様子です。末吉公園上流とはかなり様子が異なり、川幅はかなり大きくなっています。
水位計のある新開橋付近を含む上流端から末吉公園付近までは、概ね川幅が狭く、コンクリート護岸の整備された川でしたが、末吉公園に入ると急に落差が大きくなり山間部のような自然な川となり、末吉公園を抜けると再び勾配は緩くなり上流と比較して川幅がかなり大きくなるなど、約 5 km の短い区間の現地調査でしたが、様々な川の様子を見ることができました。